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楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)は大丈夫?費用明細経過レポートで確認

「楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)」(以下「RV全世界株」)は、米バンガード社の超優良ETFである「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」に、日本から気軽に投資できる投資信託として注目されてきました。

当サイトでも期待を込めて「つみたてNISAの大本命? 楽天・バンガード・ファンド発進!」としてご紹介してます。

ところが、実際の運用が始まってみると、期待が高かった肝心の低コストの部分で「」が点灯。
ネットでもさまざまな意見や批判が吹き荒れました。 😯

当サイトでも運用報告書から見えてくる内容とそれを踏まえた僕の対応について、「楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)のコストは期待外れ。どうする?」にまとめてきました。

その後、楽天投信から異例となる4半期ごとのレポートが発表されてきています。
今回は、それらをまとめて、RV全世界株がどうなっているのかを追いかけていきます。

RV全世界株って?

最初に、RV全世界株とは何かについて、簡単に整理します。
設立時点でファンドの概要については以下のとおりでした。(2017.10.1現在)

楽天・全世界株式インデックス・ファンド
(RV全世界株)
設定日・償還日 2017.9.29・無期限
投資ETF バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
 【手数料】  なし
 【管理費用】 0.2396%
信託報酬0.1296% + VT経費率0.11%) 
 【信託財産留保額】 なし 
決算日 年1回:7月15日
販売会社 楽天証券
マネックス証券
SBI証券
参考
楽天投信投資顧問HP
https://www.rakuten-toushin.co.jp/fund/nav/rivge/

これに対して、第1期運用報告書では、期待された実質年間コストが0.480%と高止まりになっていました。

【年間コストの算出手順】
2017/9/29~2018/7/17(292日)の費用比率:0.304%
年間費用率に引き直し:0.304%×365/292 = 0.380%
VT自体の経費率:0.10%+0.380% = 0.480%

そのほかインデックスファンドで大切なベンチマークとの乖離が「△1.6%」と大きいことも指摘されています。
(マザーファンドとベンチマークとの乖離は「△1.4%」)

その後、概ね3か月ごとに楽天投信から「費用明細経過レポート」が発表されています。

費用明細経過レポートの内容

2018/10/31発表分

まず、最初となったのが、「運用報告書「1万口当たりの費用明細」の経過について」と題する楽天投信投資顧問からの追加レポートです。

「楽天・ 全世界株式インデックス・ファンド 」と 「楽天・ 全米株式インデックス・ファンド」について、7月18日~10月17日(92日間)の費用明細が出ています。(本稿ではRV全世界株のみ抜粋)

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RV全世界株の実質年間コストを押し上げた売買委託手数料率についてみると、4半期分ですが「0.019%」と大幅に低減しています!

念のため、改めて年間コストに引き直してみます。

 

【年間コストの算出手順】
2018/7/18~10/17(92日)の費用費率:0.047%
年間費用率に引き直し:0.047%×365/92 = 0.186%
(うち売買委託手数料率:0.019%×365/92 = 0.075%)

この間ゼロとなっているその他費用の試算:第1期 0.039%×365/292 = 0.049%
実質年間費用率:0.186%+0.049%=0.235%

これにVT自体の経費率を加えた実質年間コスト(試算)は、0.10%+0.235% = 0.335%

目論見書の「実質的に負担する運用管理費用」に記載されている「年0.2296%程度」に比べるとまだ高止まりですが、第1期運用報告書から算出した実質年間コスト「0.480%」と比較すると、3割程度のコスト改善となりますね :-)。

もちろん運用途中の試算なので今後どうなるかわかりませんが、朗報ではないでしょうか。

また個人的には、ここまで短期間の間に費用明細のレポートを出してきている背景が気になります。

コスト高との批判に対応しようとする現れか、あるいは純資産総額が伸び悩んできていることへの危機感なのかもしれません。

【以上、11/3 追記了】

2019/1/31発表分

前回10/31に続いて、楽天投信投資顧問から「運用報告書「1万口当たりの費用明細」の経過について」が出されました。

昨年10月に続いて、「楽天・ 全世界株式インデックス・ファンド 」と 「楽天・ 全米株式インデックス・ファンド」について、7月18日~1月17日(184日間)の費用明細になります。

本稿では「楽天・ 全世界株式インデックス・ファンド (RV全世界株)」のみ抜粋します。

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大体半年分にあたりますが、「0.039%」と昨年10月末から引き続き低減方向を維持して推移しているようです。

改めて年間コストに引き直してみます。

【年間コストの算出手順】
2018/7/18~2019/1/17(184日)の費用費率:0.127%
その他費用を除いて年間費用率に引き直し:(0.127%-0.020%)×365/184 = 0.212%
(うち売買委託手数料率:0.039%×365/184 = 0.077%)

その他費用を第1期から試算:第1期 0.039%×365/292 = 0.049%
実質年間費用率:0.212%+0.049% = 0.261%

これにVT自体の経費率を加えた実質年間コスト(試算)は、0.10%+0.261% = 0.361%

第1期運用報告書から算出した実質年間コスト「0.480%」と比較すると、25%程度のコスト改善となります。

ただし、目論見書の「実質的に負担する運用管理費用」に記載されている「年0.2296%程度」を大きく上回っているのはもちろんのこと、昨年10月のレポートを基に試算した「0.335%」に比べてもやや高止まりです。

この原因の一つとしては、年末の世界的な株価下落によって、平均基準価格が10月時点の「10,695円」から1月時点の「10,227円」に下がったことで、経費の比率を押し上げたことも考えられます。

その意味では純資産総額も気になります。
12月の月次レポートより抜粋してみました。

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結果的に思ったほどの資金流出(=解約)もなかったようで一安心しました。

色々と注目度が高い投資信託商品ですので、定期的に費用明細のレポートを出してきている点は評価できると思いますが、更なる頑張りを期待したいと思います。

【以上、2/11 追記了】

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2019/5/10発表分

GWの影響からか前回1/31から3か月ちょっと経ちましたが、楽天投信投資顧問から恒例のレポートが出されました。
今回からは「楽天バンガードHEADS」というコラムサイトに掲載されるようになったようです。

運用報告書「1万口当たりの費用明細」の経過について

「楽天・バンガード・ファンド」の「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」「楽天・新興国株式インデックス・ファンド」ならびに「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」は、現在第2期(2018年7月18日~2019年7月16日)の運用を行っておりますが、同シリーズの中で特に純資産総額の大きい「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」および「楽天・全米株式インデックス・ファンド」について「1万口当たりの費用明細」を試算しましたので、足元までの途中経過(対象期間:2018年7月18日~2019年4月17日)を当コラムでご紹介します。
なお最終的な第2期「1万口当たりの費用明細」については、決算後作成される運用報告書で開示します(2019年9月中旬頃)。

楽天バンガードHEADSより

「楽天・ 全世界株式インデックス・ファンド 」と 「楽天・ 全米株式インデックス・ファンド」について、7月18日~4月17日(274日間)の費用明細になります。

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本稿では「楽天・ 全世界株式インデックス・ファンド (RV全世界株)」のみ抜粋します。

第3四半期にあたりますが「0.049%」となっており、3カ月前から+0.01%の増加と抑制方向を維持して推移しているようです。

改めて年間コストに引き直してみます。

【年間コストの算出手順】
2018/7/18~2019/4/17(274日)の費用費率:0.167%
その他費用を除いて年間費用率に引き直し:(0.167%-0.020%)×365/274 = 0.196%
(うち売買委託手数料率:0.049%×365/274 = 0.065%)

その他費用を第1期から試算:第1期 0.039%×365/292 = 0.049%
実質年間費用率:0.196%+0.049% = 0.245%

さらにVT自体の経費率が、米国時間の2019年2月26日付で年0.10%程度→0.09%程度へ▲0.01%削減。
このVT自体の経費率を加味した実質年間コスト(試算)は、
(0.10%×223日+0.09%×142日)/365+0.245% = 0.341%

第1期運用報告書から算出した実質年間コスト「0.480%」と比較すると、本家VTの経費率が下がった追い風もあって30%近いコスト改善となりました。

ただし、目論見書の「実質的に負担する運用管理費用」に記載されている「年0.2296%程度」を大きく上回っているのはもちろんのこと、昨年10月のレポートを基に試算した「0.335%」に比べてもやや高止まりです。

この原因の一つとしては、年末の世界的な株価下落によって、平均基準価格が10月時点の「10,695円」から4月時点の「10,188円」に下がったことで、経費の比率を押し上げたことも考えられます。

ちなみに投信の純資産総額を3月の月次レポートより抜粋してみました。

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資金の流入は順調に進んでいるようで、ちょっと安心しました。

これで第3四半期分までのレポートが出そろいましたね。
あとは、2019年7月の最終決算を待つことになります。

【以上、5/18 追記了】

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